「2015東海村文化祭」写真公募展（2015/10/31～11/3）

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東海村文化祭「写真公募展」公開審査(2015/10/18) 於：東海文化センター

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茨城県美術展覧会会員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　水谷　勉

村長賞　　　　『かちゃんの海』　河野　弘　：
　テーマの設定（人間ドラマ）・自分の内部に迫る・視覚的なインパクト・意表をつく画面構成。印象的な色彩など細部への視線が読みとれます。対象を発見する感受性と表現する想像力が際立つ作品です。

村議会議長賞　『天空の華』　根本　哲成　：
　肉眼では捉えることが出来ない「宇宙の神秘」が美しく表現されました。これは作者の美意識と緻密な計算から生まれたものですが、何よりも制作意欲を貫き通した精神力を見逃してはなりません。まさに天空の華が画面いっぱいに花ひらいた感があります。

教育長賞　　　『落ち葉の彩り』　川口　克雄　：
　作者の自然界へのまなざしが被写体と同化して捉えた「時間」が表現されています。一種抽象的と言える表現ですが、画面いっぱいに視覚的なエネルギーが感じられます。これが写真の力なのでしょう。感性が捉えた底力のある作品です。

奨励賞　『光彩漆黒に浮ぶ』　渡邊　二男　：
　すべての芸術は心の葛藤の中から生まれる。被写体との葛藤が画面から伝わる。互いに主張しあう光と影。作者の心は大きく揺れる。決断の時が迫る。可能性を信じてシャッターを切る、難しい光を読みとろうとするその努力から、もう一つの森のドラマが誕生した。

奨励賞　『森のシンフォニー』　渡邊　よしえ　：
　大きなスケール感をもって大自然と向きあっているようです。写真の普遍的な強さが感じられます。外部のみに終らず自分の内部に一歩踏みこんだことで、個としての視線が生まれた感じがします。森の響きが聞こえてくるようです。

奨励賞　『足並み揃えてＧＯ』　水谷　啓一　：
　横一列の４匹の犬、あやつる女性その迫力ある表情を捉えた渾身のシャッター。構図的に難しい対象だが、それを超えた「一瞬の美」が光ります。

奨励賞　『水辺のざわめき』　沼口　加代子　：
　写真は既視感のない作品に出会うとその新鮮さに感動します。野鳥の戦いの場はなかなか捉えることの出来ないシーンでしょう。普段の「油断のない目配り」という基本が生かされた作品でしょう。自然界の厳しい現実の姿が美的に捉えられています。

奨励賞　『雪の帰り道』　金澤　博征　：
　グレートンの住宅街、雪の中の一列の黄色い傘。目の前の現実の記録と遠い記憶がまっすぐに繁る。落着いたカメラワークが心地よい。構図や露出も正確でこの場の情感をよくサポートしている。

佳作　『おかあさん』　薄井　實　：
　美しい花園の中、お母さんと二人の子供が寄りそっている。まるで夢の中の世界だ。撮るという意識を写し込まず、心の命ずるままにサッとすくいとった感じが爽やかである。作者のやさしいまなざしが伝わる。

佳作　『光の海』　田中　克朋　：
　まばゆい都会の灯りに魅せられて、何か別の世界を表現したいという作者の心の動きが伝わってきます。現実を超えた想像の世界をビジュアル化したような写真です。モザイクのような光の束が美しい。新幹線の車体がもう少し止まれば完璧。

佳作　『曙』　三代　安男　：
　しっとりとした春の朝の情景がパステルカラーで美しく表現されました。難しい光を受ける被写体と対峙した作者の努力と写真的美意識を感じる作品です。光を読む感性が感じとれます。

佳作　『旅の時』　高杉　則子　：
　タイトルから察すれば撮影場所は駅だろうか。この風景を特に愛でるでもなく、かといってかかわろうともせず、トンと突き放したような作風が新鮮だ。スケール感も魅力の一つだ。核をつかめば一歩深くなる。

佳作　『ソラの散歩道』　会沢　勝男　：
　撮影現場で被写体と出会って作品としての手応えを感じた作者の想像力は見事です。新しいものを作り上げようという姿勢が伝わってくる作品となっています。彼岸花をちょっと外して、颯爽として立つ犬の姿が印象的。