「第21回東海さくらまつり写真コンテスト」入賞作品展(2009/5/19〜5/24)

『東海さくらまつり写真コンテスト』作品募集詳細はこちら




東海さくらまつり写真コンテスト審査評

日本写真家協会会員
茨城県芸術祭写真部名誉会員

        室伏 勇

 今年の気象条件は桜の写真を撮るには絶好でした。
 ちょうど満開のころに低気温が続き、開花を抑えるような形となりました。その間、強風による散り急ぎも少なく、桜をじっくりと撮影できたように思います。
 皆さんの応募作品を見ても、満開の桜の花が生き生きと描写されています。また、桜の花の種類や花びらをいつくしむように、じっと見つめるカメラマンの姿も熱心なものでした。
 コンテストには36人から92点の作品が応募されました。第一次審査でまず一人1点の入選に絞り、残った36点を第二次審査にかけ、12点の入賞作品を選抜しました。
 入賞作品はさすがに内容や技術が優れています。また、対象をよく見つめ、じっくりと撮影しており、春らんまんの情景がみごとに表現されているといえます。そこには春の喜びが感じされます。
 推薦の「わ! 雪みたい」は、はらはらと散る花びらを少女らしく雪と感じ、両手ですくおうとしています。そのポーズがとても愛らしく、素直に表現されていて感動を呼びます。
 特選の「桜の木の下で」は多分兄弟と思える幼な子が花咲く桜の下に置かれ、花見をしている図です。
 同じく特選の「花へとジャンプ」は少年が満開の桜にとびつこうとしているところをスナップ、躍動感にあふれています。
 準特選「野点」は赤い傘と野点の茶を口にふくむ人の対比がよく、天気の良さと相まって実にきれいです。
 同じく「花のトンネル」アウトフォーカスでのぼけ味がよく、記憶を蘇るかのような懐かしき日々を振り返らせてくれます。
 同じく「和演」は桜の花をアップで、しかもアウトフォーカスでぼかし、太鼓などの演奏に個性あふれる表現を成し遂げました。
 佳作の「シ・ア・ワ・セ桜色」「東海音頭」「花笠踊り」「さくら音頭」「宵桜の下で」は共に自分の個性を桜の表現に生かしました。中でも桜の幹と花をシヤープに画面に構成した「花笠踊り」が画面の単純化に成功し、「宵桜の下で」が夜桜の雰囲気を情緒的に捉えています。
 出品者の皆さんが来年もまた独自の対象を発見し、力作を寄せて下さるように期待します。




「第21回東海さくらまつり写真コンテスト」入賞作品展(2009/5/19〜5/24)
                         於:石神コミュニティセンター






















東海さくらまつり写真コンテスト表彰式(2009/5/24)
                         於:石神コミュニティセンター