「第20回東海さくらまつり写真コンテスト」入賞作品展(2008/5/17〜5/25)

東海さくらまつり写真コンテスト審査評

日本写真家協会会員
茨城県芸術祭写真部名誉会員

        室伏 勇

 「東海村さくらまつり写真コンテスト」が今年も行われました。
 今年の応募者数はちょうど30人。応募点数は57点でした。此れまでより応募者・点数とも若干減りましたが、自分たちの住むこの町を、より美しく、より楽しく、そしてより住みよく、なごやかに、といったひとびとの思いが作品に表れていました。
 応募者はほとんどが村の方々で、土地のことを知り尽くしています。それだけにマンネリ化しやすのですが、村内をくまなくあるいてテーマを再発見したり努力の跡が見られました。
 フィルムカメラよりデジカメが増加しています。デジカメ32点、フィルムカメラ25点という比率です。
 写真は表現です。どちらでも自分の意図した表現が得られるならそれが最適の表現手段といえます。あとは元気一杯の村民の表情を捉えることです。
 推薦の「桜音頭」は桜花らんまん、好天のもと、村の人たちが積極的にイベントに参加して踊る楽しさを捉えました。
 特選「桜花に舞う」はダンスの激しいアクションを逆光でキャッチし、動的な瞬間を見事に浮かび上がらせました。
 同じく特選の「桜のころ」は仁王像と満開の桜の花とダブル露出で撮影し、自分のイメージに合った作品を構築してみせました。ワザが光った作品です。
 準特選では、「東海太鼓」が太鼓を打つ若者の姿態の一致した動きの瞬間を撮って迫力を感じさせ、「春風うけて」が優れた色彩感覚を見せ、「花よりショー」がユーモラスな情景を表現しています。
 佳作は「弦合せ」が画面構成の巧みさを見せ、「黄昏」がシルエットの若者を絵画のような雰囲気で表しました。「春の響き」「開演待ち」「リズムに乗って」もそれぞれ個性的な表現を見せました。
 観光協会賞の「艶」は村の女性たちの出演による手踊りを生き生きと捉え、明るく元気な東海村を表現できたように思います。
 今回も地元を見つめる目が光っていたように思います。来年もまた、こうした発見の目を発揮してください。




「第20回東海さくらまつり写真コンテスト」入賞作品展(2008/5/17〜5/25)
                         於:石神コミュニティセンター